2021年5月20日木曜日

KMG7への想い

とうとうKMG7 Advancedを販売終了することになりました。

以前も一度終了宣言したことがありましたが、あのときは、実はまだ販売を続けたかったのです。これには裏話がありました。

KMG販売で一番大変だったのがショップの維持です。

KMG7は2GBを超え、一般に販売するにはサイトがなかなかありませんでした。結果的にShopifyとBOOTHを利用しました。BOOTHはショップオーナーとしては月額無料なのですが、海外の方に利用してもらいにくいし、購入にアカウント作成が必須だったりと、使いにくかったかもしれません。Shopifyだと全世界に対応でき信頼度は高かったと思います。しかし、月額利用費約1000円がかかります。

たった1000円と思われがちですが、その1000円が維持できないので販売終了となったわけです。

なんせKMG7 Advancedの当初の値段は3000円ですから。

10年前、「自分でメタルを作りたいがギターを弾けない」そんな理由が、30歳の青年を動かしました。弾けないなら弾かせてしまえ。Kontaktにサンプルをマッピングしてパワーコードを鳴らしました。そしてミュートサウンドを鳴らしました。さらにはソロサウンド、ピッキングハーモニクスも完備しました。これで一通りのメタルサウンドが鳴らせました。

当初のKMG7が注目を浴びたのは7弦でフリーだったことでしょう。

後に有料化してしまいましたが、最初はずっとフリーで行くつもりでした。有料化し、少しですが利益をいただきました。しかし、単価3000円です。売れた数からいっても、総額20万円いったかいってないかです。制作にかかった時間を考えると完全に赤字です。3000円という値段もすごく悩んで決めました。周囲の人はもっと高いほうがいいと、自分は安く提供したいと。しかし安すぎるとチープなイメージもあると。値段のつけ方はとても難しいです。自分で言うのもなんですが、KMG7は音質は他社より劣っていたかもしれませんが、機能面では3000円とは思えない機能を持っています。弦は7弦全て別収録してありましたし、演奏されている弦も表示されましたし、一通りの奏法を備えていました。リアルタイム入力にとても優れていました(レガートの制作にどれだけ悩まされたか・・・。)。自分好みに制作しましたので言い出すときりがないくらい便利に作られていました。

そして時は流れ、世はKMG7を忘れていきました。(ヒュ~(風

10年前と違い、今では8弦ギターの音源まである時代です。さらには、VST、VSTiの価格崩壊の時代です。大手メーカーまで10万円を超える品が1万円を切ったり。もうめちゃくちゃな時代です。こんな価格戦争を小さな私がついていけるわけありません。

時代は10年前と違い、KMG7は珍しくもなければ、無料でも気にとめられないようになっていったのです。

売れなければ月額1000円は維持できません。ということで無料のBOOTHに移動。それでも売れません。そして私は病気も見つかりました。いつかサポートができなくなったらどうしよう・・・」そんな気持ちで、「では販売を終了しようか。いや、世の中から消えて何か意味はあるのか?終了したらしたで、少数だがまた「KMG7はどこでダウンロードできますか」というメールが来る。(しかも英語)」ならば無償配布しかない。

今まで買ってもらった人には申し訳ないけど、KMG7 Advancedは無料になりました。

大手メーカーも、「〇× Elements」とかを無償で配布したりしてます。

許してください。私を許してください。返金はできません。もうパチンコに消えました



これからも私はKMG7を使い続けます。これは自分で使うために始まったKontaktライブラリ制作の物語だったんです。私が作ったKMG7が皆様の役にも立つようであれば、とても幸せです。これが最初で最後の想いです。



今KMG7は無料です。これからDTMを始める方、ギター音源を持っていない方、ぜひ一度使ってみてください。


https://major7th.jp/kontakt/


ついでに言いますが、Yu’s Vocaliseも他社にない機能を備えております。合成を利用せず人間の発声と同じ仕組みで母音移動を発します。優秀です。そちらも無料になりましたのでサントラ系を制作の方、使ってみてはいかがでしょう。


ではまたどこかでお会いしましょう。

2021年5月20日

作者:森川豊

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