半年以上ぶりの更新となります。すんません。
突然ですが、上のアマゾンバナーは、私の大好きな「ラフマニノフ」の全集的なCD28枚セットです。
価格的にもお得なので、貼り付けてしまいました。もちろん私は購入済です。
ピアノ協奏曲2番、3番に関しては、他のアルバムのほうがよい演奏でしたが、その他、よい曲が盛りだくさんなのでお得です。
さてさて、ここに私が演奏した動画があります。
とりあえず再生してみて下さい。
つまり最初の動画は、ピアノ即興演奏をし、それにオーケストラをあとから重ねて、協奏曲状態にした作品なのです。
ちなみにオーケストラ音源は、打楽器以外は、EastWestのHollywoodシリーズです。
ついでに、ピアノは、Ivory II Italian Grandです。
私が作った即興協奏曲とは、オーケストラを重ねることを前提にピアノを即興で演奏するという、通常のピアノ協奏曲と逆の方式で作られた作品なのです。
これのおもしろいところは、 ・テンポが固定されていない。 ・形式にとらわれない。 ・対旋律を作るのがおもしろい。
といった感じで、逆のデメリットとして、 ・テンポが固定されていないので、DAWで細かいテンポ設定が必要である。 ・あからさまなミスをミスとするか悩ましい。 ・強引な展開もある。 などです。
テンポが固定されていないのは自由である反面、作業が困難になることでもありました。
形式にとらわれないというのは、普通に曲を作ると、計画的に、あんなこんなメロディをつくり、展開させて、リピートさせてと、設計図がある曲になるわけですが、これは即興が元となっていますので、多少の考えはあれど、細かい設計図はないのです。突然繊細になったり、激しくなったり、先の読めないところがおもしろいのです。
その反面、即興であることは、ミスもしやすく、あからさまにミスをした場合、それをどう受け取るかが問題となります。 結果的には、強引な展開になり、不自然さを招く場合があります。
対旋律についてですが、これはどういうことかというと、即興に対して、そのままメロディを重ねるのでは何のおもしろみもなく、ピアノのメロディを伴奏ととらえたり、主旋律、対旋律ととらえ、そのピアノに、新しいメロディや伴奏を重ねるという作業が、新しい音楽を生むのです。 ピアノのみの段階では、こんな音楽だったのに、オーケストラを重ねることで、違うメロディや違う雰囲気を作り出すことが、とてもおもしろいところです。 実際に、上の2つの動画を聞き比べていただくと、楽しいのではないかと思います。
さて、ではDAWで、Cubaseでこの作業をどのようにするか、そしてピアノの演奏動画と音声は「口パク」なのか。
口パク疑惑から言うと、答えはノーです。
音声はあとから重ねてはいますが、特別大きなミスがない限り、テンポ、和音、軽度なミスタッチはそのままMIDIに反映され、再生されております。 そしてマルチアングルなのは3回録画したのか?というと、これもノーです。
左からの映像は兄からもらった古いビデオカメラ、右からの映像はスマートフォン、後ろからの映像は、新しく兄からもらったビデオカメラの、3台で同時録画しております。
Cubaseでの作業手順ですが、簡単に説明いたします。
1.BPM120に設定しておき、MIDIトラックを録音状態にして、即興演奏を記録します。そして保存しておきます。
2.自分で作成したオーケストラ用テンプレートを開き、BPM120に設定し、先ほどのピアノのMIDIデータをこちらへ持ってきます。(バッファの関係で別々に作業しないと、演奏がもたついてやりにくいというのがプロジェクトを分けている理由です。)
3.始めたい小節の頭に、演奏の頭を持ってくるように調節します。
4.Cubaseのある機能を使って、小節線をずらしていき、曲に合うようにしていきます。 5.曲に合ったオーケストラを重ねます。
といった作業です。
BPMは120でなくてもいいのですが、2つの別プロジェクトで作業をする場合は、双方同じBPMにしておかないと後でずれてしまいます。
重要なのは4です。 ある機能というのは追々説明するとして、ようするに、実際のMIDIデータの演奏速度を変えずに、小節線をずらす=その小節のテンポを変えるという作業で、曲に合った、テンポを小節ごとに(必要なら2拍ごとの場合も)設定していくのです。 これで、小節に合わせて打ち込みをすると、ピアノに合わせて、打ち込んだオーケストラがリタルダンドしてくれたりするわけです。
小節線をずらしていくと、同時にテンポの数字が変わるのが見れるのですが、上手く作るコツとして、テンポに急激な変化を与えないように、小節線をなるべく、ピアノに合うようにずらしていくということです。 つまり、多少はピアノに合わなくても、急激なテンポチェンジを避けた方が無難だということです。生演奏は多少のもたつきや、ためが、味を出したりしますので、状況に応じ、ピアノがずれてもいいところでは、テンポに急激な変化を与えないほうがよいということです。
細かい作業はまた今度公開できればいいなと思っております。
<おまけ> このような動画を発見したので載せておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=zeoT66v4EHg
これを見て「猫に真似された!」とワーワー言っておりましたが、よく見ると2009年にアップロードされておりました。私より4年以上早いようです。。。
私が真似したわけではないですが、発想は同じですね。
先にあるものに、あとでオーケストラを重ねる。 この発想は、映画サントラにも通じるものがあると思いますので、今後も挑戦したい思います。