2014年11月15日土曜日

Roland A-90 分解修理




愛用のローランドA-90の鍵盤の中が折れました。

購入から15年で3回目です。(記憶があいまいで、2回かもしれません)

中が折れる?どういうことかというと、、、
 
こういうことです。
A-90は、ピアノ鍵盤であり、バネで戻るタイプとは違います。
最近の構造は知りませんが、15年ほど前のA-90では、上の写真のような鉛付きパーツが入ってます。
 
上が折れたもの、下が正常なものです。
この物体にちょうどかぶさるように鍵盤が配置されており、穴の開いている辺りがちょうど、鍵盤のタッチする辺りになります。
鍵盤を押すと、このパーツの一番左の部分が押されて、その右の少し丸い部分を軸にシーソーのように鉛を持ち上げます。これでピアノのタッチを再現しているようです。
 
そして持ち上がった鉛(の入ったこのプラスチックのパーツ)は、穴のようなものが4つ見えますが、その一番左の上の部分、ここにフェルトのついたストッパーが当たり、鍵盤が止まるようになっています
つまり、すばやく鍵盤をタッチすると、そこにかなりの衝撃が加わるのです。それで写真の上のように、そこで折れてしまい、中の鉛があらわになるのです。
 
冒頭で触れましたが、15年使ってきて、折れたのはこれで3回目になります。(たぶん)
 
1回目は自分でパーツを取り寄せ、取り付けなおしました。1つ500円か900円かそんなもんだったと思います。
 
2回目は、法律ができたのか、電気機器のパーツの取り寄せが、事故防止のため出来なくなりました。よって、その他、不具合も出てきていたので、ローランドへ送り、全体のメンテナンスと、この鉛パーツの交換をしてもらいました。
このとき、よく折れるということを伝えると、このパーツはよく折れると、そのままの答えが返ってきて、このパーツの88鍵盤分全て無料で交換してくれるとのことでした。(けっこうな値段になるはずなので、本当に全て交換されたかは不明)
そして、ローランドの修理担当者の方と、直接電話で話しながら、不具合をほぼ全て直してもらいました。(お金はかかりましたが、すでに保障がすぎており、パーツが無いのに、さびていた金属の部分の塗装までして下さいました。)
 
そして3回目が今回です。
KMG7の説明動画を作っているときに、パキッという音がして嫌な予感がしました。
折れました。
鍵盤が戻らなくなりました。鉛の部分から先が折れて、落ちてしまい、おもりの力が無いので、鍵盤が戻らないのです。
 
仕方ない、また送るのか・・・。と途方にくれましたが、他にも怪しい音がする鍵盤があったので、とりあえず本体を開けることに。
以前も開けていたので、開け方はそう困ることはありませんでした。
 
写真の上が鍵盤手前の部分です。
手前の金属部分のネジと、ゴムパッドのネジ以外、裏のネジは全てはずします。
1本を除いて、全て同じネジです。
 
開けるとこんな感じです。
 
左右の木の部分を、手前から上に持ち上げるように、すると、カパッとはずれます。
気をつけるべきは、配線がいくつかあることですが、特に、左端に、アフタータッチのセンサー用のコードがあります。これは、少し短めで、引っ張りすぎると、配線に引っ張られ、パーツが壊れてしまうので、気をつけましょう。
ちなみに、この画像はすでに直した後の状態ですので、鍵盤は正常です。
 
 
折れたのは中域より下のAでしたが、折れるということは、よく使うということなので、タイヤのローテーションと同じく、あまり使ってなさそうな、高域のFと交換して、直すことにしました。
 

 
さて、ここで悩んだのが、折れたプラスチックを、どうやって元に戻すか。
ただくっつけても、また強い衝撃が加わるわけで、普通に考えたら、接着剤やシリコンでは、すぐまた折れてしまう。
 
ネットで強力な接着剤を探して、ある接着剤に行き着きました。そして幸い、折れた面だけをくっつけるのではなく、鉛部分をプラスチックに差し込みながらくっつけるという作業でしたので、接着面が多く、しっかりくっついたようです。
例えるなら、折れた割り箸をくっつけるのではなく、ペンのキャップをペンに差し込んで抜けないようにくっつける感じです。
 
 
使用したのはこの接着剤です。なんか車で引っ張り合うCMとかあるらしいですよ。
ホームセンターで500円台です。
で、まず、アルコール等で、きれいに洗浄し、ヘラを使いつつ、写真のように接着しました。
接着するあらゆる面と、さらにコーティングするように、表面も少し塗っておきました。
この接着剤は、乾燥すると、カチコチではなく、すこしゴムのようになりますので、弾力性という意味で、今回の接着用途に都合がよいと感じました。
 

鍵盤の中、すっごいほこってます。
どうせ接着剤が乾燥するまで24時間はかかるので、この際、白鍵盤だけ、おもりパーツを全てチェックしながら、掃除もしていこう、ってことになりました。

 
ほこりすんごいです。
 
 
鍵盤横も全て拭き取っていきましょう。
 
 
ナイスつるつる。
 
 
キチャナイですね。


これも綿棒でふき取ります。毛などはピンセットで。


 1個ずつ取り外して、掃除して、パーツの劣化を確認。


↑少しひびが入っているやつ。
パテ埋めのように接着剤で補強します。


↑完全にアウトのやつ。
上が折れてないのでまだ生きてるだけで、下が折れてしまっていて、そのうちパキッといくやつです。いったら、また、内部から接着して頑丈に固めるとして、今回は、補強だけです。(というか、それしかできない)


↑下がまだ折れていないだけで、かなり劣化の進んだやつ。
こんなのがごろごろ出てきました。


少しずつ作業を進めていき、接着剤を使ったキーは間違って押さないように、とりあえず、鍵盤をはずしたままにしておく。


2日くらいかかって、全部(白鍵のみ)チェックと掃除、補強終わりました。
鍵盤が下がっているキーは、接着剤でパーツに補強をしたキーです。
こうやって見ると、どこがよく使われているかわかりますね。
さーっとみると、意外と、Gが補強いらずでしたCはほとんど補強が必要だったようです。
折れたのは、画面中央部の、この写真で補強してないAです。これは高域のFと交換したからです。
ということで、Aもほとんど補強したことになりますね。


数時間乾くのを待って、全て鍵盤を戻していきます。


ネジを戻して、


とりあえず元に戻りました。
操作も正常です。

問題は、補強したキーが、どれくらい耐えられるかです。
折れたやつが、普通に使えるようであれば、今後、あの接着剤があれば、とりあえずは問題なさそうです。

ピッチベンドとモジュレーションを同時に触れるジョイスティック搭載で、アフタータッチがついているマスターキーボード(オールインワンシンセでない)は、知る限り、これしかないんです。
最近のキーボードはアフタータッチがついてないのが多いんです。
だから、このキーボードが完全に故障してしまうと、とても困っちゃうわけです。

いつまでも長生きして下さい、A-90君。

2014年11月9日日曜日

芸術に順位はない

最近思うところあって作曲してないのですが、そんな中で思うことは、やっぱり音楽ってなんなんだろうってことです。

スポーツは、競技としてみんな競いあって喜びや感動を得ているわけですが、芸術って僕は競いあうものじゃないと思うんです。
でも、世の中は売れた作品が素晴らしいものとされ、成績を残したものがよい作品とされているのです。しかも、それらは、スポーツと違い、周囲のものが成績をコントロールしてしまうんです。

100m走は、走って速かったほうが明らかに勝ちなのです。
音楽の場合なら、良し悪しは聴衆が決めてしまうのです。

だから、芸術は競いあうものじゃないと思うんです。

スポーツは、本人の努力の結果が、成績として残りますが、音楽は本人の努力も必要ですが、聴く者の要素もありますので、本人の努力だけでは成績において、どうにもならない部分が強い気がします。

ビジネスは別として、芸術で競いあいはしたくないものです。
芸術に順位をつけるときは、第三者が順位をつけるので、競いあった当事者には、芸術としてはなんの意味もないと思います。あるとすれば、それがビジネスに結びつく場合であると思います。

当事者が、私の作品のほうが素晴らしい、と言い合ってなにか意味はありますか?

どっちが素晴らしかった?と第三者に判断してもらって、芸術になにか価値がありますか?

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